農地転用の申請方法|必要書類や手続きを詳しく解説【完全ガイド】
- イット建築研究所合同会社
- 2025年3月5日
- 読了時間: 16分

▶︎1. 農地転用申請とは?

1.1 農地転用とは何か?基本の考え方
農地転用とは、農地を宅地や駐車場、商業施設などの異なる用途に変更することを指します。
日本の農地は、食料生産を守るために法律で厳しく管理されています。そのため、勝手に農地を転用することはできず、事前に「農地転用申請」 を行い、行政の許可を得る必要があります。
たとえば、以下のようなケースでは農地転用が必要になります。
農地を住宅地に変更し、新築を建てる場合
農地を駐車場や倉庫用地にする場合
農地を工場や商業施設の敷地にする場合
農地転用を行うことで、土地の用途が広がり、資産価値の向上にもつながります。ただし、転用には法律の規制があり、場合によっては申請が認められないこともあるため、事前にしっかりと確認することが大切です。
1.2 農地転用が必要なケースと不要なケース
農地転用申請が必要かどうかは、土地の所在地や用途によって異なります。
以下の表で確認してみましょう。
状況 | 農地転用申請の要否 |
農地を住宅地に変更する | 必要 |
農地を商業施設や工場用地にする | 必要 |
市街化区域内の農地で、一定の条件を満たす場合 | 届出のみでOK(許可不要) |
農業目的のまま利用する(例えば畑を果樹園に変える) | 不要 |
市街化区域の農地 は、自治体の開発方針によっては許可不要で転用できることがあります。一方で、市街化調整区域や農業振興地域の農地 は、厳しい審査があるため転用が難しくなる傾向があります。
1.3 農地転用のメリット・デメリット
農地転用にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあるため、事前にしっかり把握しておきましょう。
メリット
土地の資産価値が向上する → 住宅や商業施設用地にすることで、地価が上がる可能性があります。
活用の幅が広がる → 農業以外の用途に使えるため、収益性の高い活用が可能になります。
売却しやすくなる → 転用後の土地は、農地よりも売却しやすくなるケースが多いです。
デメリット
固定資産税が上がる → 農地は固定資産税が安いですが、転用後は税負担が増えます。
申請手続きが複雑 → 書類の準備や審査基準の確認など、時間と手間がかかります。
転用できない場合がある → 法律や自治体の規制によって、希望通りの用途変更ができないこともあります。
1.4 農地法と関連する法律のポイント
農地転用は、農地法 に基づいて厳しく規制されています。特に、以下の法律が関係してきます。
農地法(第4条・第5条) → 農地転用の基本ルールを定める
都市計画法 → 市街化区域・調整区域の区分を決める
地方自治体の条例 → 追加の規制がある場合も
特に、農地転用の申請をする際には「農地法第4条」 か「第5条」 のどちらに該当するのかを確認する必要があります。
第4条の申請 → 自分が所有する農地を、農業以外の目的で使う場合(例:自宅を建てる)
第5条の申請 → 農地を第三者へ売却し、その第三者が農業以外の目的で使う場合(例:企業が購入して駐車場にする)
このように、申請内容によって適用される法律が異なるため、注意が必要です。
▶︎2. 農地転用の申請手続きと許可基準

農地転用を成功させるためには、適切な手続きを踏み、許可基準を満たすことが重要です。このセクションでは、申請の流れや必要書類、許可基準、市街化区域との関係、さらに農振除外について詳しく解説します。
2.1 農地転用申請の流れと必要書類一覧
農地転用申請は、基本的に以下の流れで進みます。
事前確認・相談(役所や専門家に相談し、転用の可否を確認)
必要書類の準備(土地の情報や計画書の作成)
市町村役場へ申請書類の提出
農業委員会の審査(申請内容が適正かどうかのチェック)
都道府県知事または農林水産大臣の許可
許可後の手続き(土地の地目変更、登記手続きなど)
必要書類は申請内容によって異なりますが、主に以下のものが求められます。
必要書類 | 内容 |
農地転用許可申請書 | 申請の基本情報を記載 |
土地の登記事項証明書 | 土地の権利関係を示す |
位置図・公図 | 農地の場所を示す地図 |
事業計画書 | 転用後の利用計画を説明 |
土地利用計画図 | どのように土地を利用するかの図面 |
承諾書(必要に応じて) | 所有者や関係者の同意書 |
申請期間は自治体によって異なりますが、通常1~3ヶ月程度かかります。 許可が下りるまでの間、追加資料の提出を求められることもあるため、スケジュールには余裕を持って進めることが大切です。
2.2 転用許可を受けるための基準と条件
農地転用は誰でも自由に行えるわけではなく、いくつかの許可基準をクリアする必要があります。主な基準は以下のとおりです。
許可が下りやすい条件
市街化区域内の農地である → 比較的転用が認められやすい
農業振興地域外の農地である → 規制が少ないため許可される可能性が高い
周囲の環境と調和が取れている → 近隣に影響がないと判断されると許可が出やすい
転用後の計画が明確である → 事業計画や土地利用計画がしっかりしていること
許可が下りにくい条件
市街化調整区域内の農地である → 原則として転用が難しい
農業振興地域内の農地である → 農業の保護が目的のため転用はほぼ不可
転用後の利用計画が不明確 → 具体的な計画がないと認められにくい
近隣住民の反対がある → 転用による影響が懸念される場合は許可が下りないことがある
2.3 市街化区域と市街化調整区域の違い
農地転用の許可に大きく関わるのが、「市街化区域」と「市街化調整区域」 の違いです。
区分 | 特徴 | 農地転用のしやすさ |
市街化区域 | 住宅や商業施設の開発が進められるエリア | 比較的容易(届出のみでOKな場合も) |
市街化調整区域 | 原則として市街化を抑制するエリア | 許可が厳しく制限される |
市街化区域 にある農地は、比較的スムーズに転用できる場合が多く、一定の要件を満たせば届出のみで転用が可能 です。一方、市街化調整区域 は「都市計画上、開発を抑制する地域」とされており、許可を得るのが非常に難しくなります。
2.4 農振除外とは?除外申請の手続き
農地転用を希望しても、土地が「農業振興地域」に指定されている場合、そのままでは転用できません。その場合は、まず「農振除外申請」 を行い、指定解除を受ける必要があります。
農振除外とは?
「農振除外」とは、農業振興地域に指定された土地を、その指定から外す手続きのことです。
これが認められれば、農地転用申請が可能になります。
農振除外の申請手続き
自治体に事前相談(農振除外の可否を確認)
申請書類の作成・提出
自治体の審査・決定
農振除外の決定後、農地転用申請へ進む
ただし、農振除外はすべての土地で認められるわけではなく、特定の要件を満たす必要があります。 例えば、「周囲の農地と一体的な農業利用がされていない」場合や、「転用後の土地利用が地域の発展に寄与する」場合などが考慮されます。
農地転用の手続きは複雑で、許可基準を満たさないと転用が認められません。
農地転用申請は、書類を揃えて役所に提出することから始まる
市街化区域の農地は転用しやすいが、市街化調整区域や農業振興地域の農地は難しい
農振除外が必要な場合は、さらに追加の手続きが発生する
スムーズに進めるためには、自治体への事前相談や専門家のサポートを受けることが重要 です。
▶︎3. 農地転用に関わるリスクと対策

農地転用は、申請や許可のプロセスが複雑なため、思わぬトラブルに発展することがあります。許可が下りないケースや、転用後に問題が発生することもあるため、事前の対策が重要です。このセクションでは、農地転用に関するリスクや対策について詳しく解説します。
3.1 農地転用で起こりやすいトラブルとその原因
農地転用に関連するトラブルはさまざまですが、特に多いものを以下にまとめました。
トラブル | 原因 |
申請が却下される | 許可基準を満たしていない、書類の不備 |
手続きが遅れる | 必要書類の不足、自治体の審査期間の長期化 |
固定資産税が大幅に上がる | 農地から宅地や商業地に変わることで税額が増加 |
近隣住民とのトラブル | 転用後の利用計画が地域環境と合わない |
地目変更の手続きを忘れる | 転用許可後に登記変更をしないとトラブルになる |
特に、「申請が却下される」ケースは多く、基準を満たしていないまま申請を進めると、何度も修正を求められることになります。
3.2 転用申請が認められない主な理由
農地転用申請が却下されるのには、いくつかの明確な理由があります。
以下のようなケースでは、許可が下りにくくなります。
1. 転用後の利用計画が不明確
どのように活用するのか、具体的な計画がない
必要な許認可(建築許可など)が取得できない可能性がある
2. 立地が市街化調整区域や農業振興地域にある
市街化調整区域の農地 は、原則として開発が制限されるため許可が厳しい
農業振興地域内の農地 は、まず「農振除外」を行わないと転用申請ができない
3. 環境保全上の問題がある
転用後の利用が環境に悪影響を与える可能性がある(騒音・排水問題など)
近隣の反対が多く、合意が得られない
4. 農業委員会の審査で不適格と判断される
転用によって周辺の農業環境に悪影響が出ると判断される
農地としての価値が高く、保全が優先される場合
転用を成功させるためには、これらの点を事前にチェックし、問題がないか確認しておくことが重要です。
3.3 トラブルを防ぐための事前準備と対策
農地転用をスムーズに進めるためには、事前の準備が不可欠です。
以下の対策を講じることで、リスクを減らすことができます。
1. 事前に自治体や専門家に相談する
市町村の担当窓口に相談し、転用が可能か確認する
行政書士や土地家屋調査士に依頼し、スムーズな手続きをサポートしてもらう
2. 申請に必要な書類をしっかり準備する
登記事項証明書、土地利用計画書、公図、事業計画書などを事前に用意する
不備があると審査が遅れるため、事前に役所に確認する
3. 近隣住民との関係を良好に保つ
転用後の計画を事前に説明し、理解を得る
事業内容によっては、説明会を開くことも検討する
4. 申請スケジュールを考慮する
農地転用の申請には数ヶ月かかることを想定して計画を立てる
余裕を持って準備を進め、必要に応じて専門家にサポートを依頼する
これらの対策を取ることで、申請の遅れやトラブルを未然に防ぐことができます。
3.4 申請後の土地活用で気をつけるべきポイント
農地転用が完了した後も、適切に土地を管理しないと、思わぬ問題が発生することがあります。特に注意すべきポイントを紹介します。
1. 固定資産税の増加を考慮する
農地の固定資産税は安いが、宅地や商業地になると税額が大幅に上がる
事前に税額を試算し、無理のない計画を立てる
2. 地目変更の手続きを忘れずに行う
農地転用が許可された後は、登記簿上の「地目変更」 を行う必要がある
これを怠ると、農地のままとみなされ、活用に制限がかかることがある
3. 転用後の土地利用に適したインフラ整備を行う
水道や電気、排水設備の整備が必要な場合がある
事前に計画を立てておくことで、スムーズに活用できる
4. 転用後の土地売却・賃貸の可能性を考える
転用後に土地を売る場合、適正な価格設定をする
賃貸に出す場合、需要があるかを事前にリサーチする
転用後の活用方法を慎重に計画することで、土地の価値を最大限に引き出すことができます。
農地転用にはさまざまなリスクがありますが、適切な準備と対策を行えばスムーズに進めることができます。
申請が却下される原因を把握し、対策を講じる
必要書類の準備と、事前の相談を徹底する
転用後の固定資産税や地目変更などの手続きにも注意を払う
トラブルを未然に防ぐために、自治体や専門家の意見を積極的に取り入れることが重要 です。
▶︎4. 農地転用申請をスムーズに進める方法
農地転用申請は、書類の準備や役所とのやり取りが多く、スムーズに進めるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。申請の前段階から計画的に進めることで、時間や手間を大幅に削減できます。ここでは、申請をスムーズに進めるための具体的な方法を紹介します。
4.1 申請前に確認すべき重要ポイント
申請前に以下のポイントを確認しておくことで、後から問題が発生するリスクを減らせます。
1. 農地の所在地と区域区分を確認する
農地が 「市街化区域」 にある場合 → 転用しやすい(届出のみでOKな場合も)
農地が 「市街化調整区域」 にある場合 → 許可を得るのが難しい
「農業振興地域」 にある場合 → まず「農振除外」が必要
2. 転用目的が許可基準に適合しているか
住宅や商業施設の建設など、地域の開発方針に沿っているか
環境への影響や近隣住民の意見も考慮する
3. 必要な書類を事前にチェック
申請書
土地の登記事項証明書
公図、位置図、土地利用計画図
事業計画書(転用後の利用計画がある場合)
所有者の同意書(必要に応じて)
自治体によって求められる書類が異なるため、必ず事前に確認しましょう。
4.2 スケジュール管理と申請のタイミング
農地転用申請はすぐに許可が下りるわけではなく、通常 1~3ヶ月 の審査期間が必要です。さらに、事前の準備や追加資料の提出などを考えると、トータルで 3~6ヶ月 かかることもあります。
申請スケジュールを考える際のポイント
タイミング | やるべきこと |
6ヶ月前 | 転用の可否を自治体に相談、土地の用途確認 |
3ヶ月前 | 必要書類の準備、専門家への依頼 |
2ヶ月前 | 申請書類の作成、事前確認 |
申請時 | 役所に提出、審査開始 |
1~3ヶ月後 | 追加資料の提出、許可取得 |
許可取得後 | 地目変更、登記手続き |
特に、年度末や繁忙期(3~4月)は申請が集中するため、審査が遅れる可能性があります。余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
4.3 専門家(行政書士・土地家屋調査士)に依頼するメリット
農地転用申請は、専門的な知識が必要なため、行政書士や土地家屋調査士に依頼するとスムーズに進められます。
専門家に依頼するメリット
申請書類の作成を代行してもらえる → 書類の不備による審査遅延を防ぐ
役所とのやり取りを任せられる → 必要な追加資料の対応もスムーズに
申請が通る可能性を高められる → 許可基準を満たすよう適切なアドバイスがもらえる
どの専門家に依頼するべき?
専門家 | 対応できる業務 |
行政書士 | 農地転用許可申請の書類作成、役所との調整 |
土地家屋調査士 | 地目変更、土地測量、登記関連業務 |
不動産鑑定士 | 転用後の土地評価、売買サポート |
特に、行政書士は農地転用の申請手続きを専門としているため、依頼することでスムーズに進めることができます。
4.4 コストを抑えてスムーズに申請するコツ
農地転用申請には、申請費用、測量費用、専門家への依頼費用など、さまざまなコストがかかります。 少しでも費用を抑えながらスムーズに進めるためのポイントを紹介します。
1. 事前に役所で無料相談を活用する
役所には無料の相談窓口があるため、まずは相談して情報を集める
「転用が可能かどうか」を確認し、無駄な費用をかけない
2. 自分でできる部分は自分で対応する
書類作成の一部(位置図や事業計画書など)は、自分で作成すればコスト削減に
ただし、不備があると審査が遅れるため、必要に応じて専門家のチェックを受ける
3. まとめて依頼することで費用を抑える
行政書士+土地家屋調査士のセット依頼 で、割引を受けられることも
依頼前に相見積もりを取り、適正価格で依頼する
4. 早めに準備を進め、追加費用を防ぐ
書類の不備や遅延で追加費用がかかることを防ぐ
繁忙期(年度末など)は避け、役所が混雑していない時期に申請する
農地転用申請をスムーズに進めるためには、事前の準備と計画的な対応が欠かせません。
申請前に農地の区域や用途をしっかり確認する
スケジュールを立て、余裕を持った申請を心がける
専門家に依頼することで、スムーズに進めることができる
コストを抑える工夫を取り入れながら、効率的に手続きを進める
しっかり準備をすれば、スムーズな農地転用が可能になります。
▶︎5. まとめ
農地転用申請は、スムーズに進めるための準備や手続きが重要になります。ここでは、これまで解説してきたポイントを振り返り、今からできる準備についてまとめます。
5.1 農地転用申請の重要ポイントのおさらい
農地転用を成功させるために、押さえておきたい重要ポイントを整理しました。
1. 転用の可否を事前に確認する
市街化区域の農地 → 転用しやすい(届出のみで可能な場合も)
市街化調整区域の農地 → 許可が厳しく、慎重な計画が必要
農業振興地域の農地 → まず「農振除外」の手続きが必要
2. 申請手続きを正しく進める
申請には 必要書類の準備 と 役所との調整 が必要
許可が下りるまでに 1~3ヶ月程度 かかるため、早めの計画を立てる
3. 転用後のリスクを理解する
固定資産税が増加 する可能性があるため、事前に試算しておく
転用後の 地目変更や登記手続き を忘れずに行う
4. 専門家を活用するメリットを知る
行政書士や土地家屋調査士に依頼すると、申請がスムーズになる
自分でできる部分と専門家に任せる部分を明確に分け、コストを抑える
5.2 スムーズな申請のために今日からできること
農地転用を計画している場合、すぐに取り組める準備 を進めておくとスムーズです。
1. 転用の可否を役所で確認する
最寄りの市町村役場や農業委員会に相談 し、転用の可否を確認する
転用が可能な場合、どのような手続きが必要かをリストアップする
2. 必要な書類を事前に集める
土地の 登記事項証明書 や 公図 などを取得しておく
事業計画がある場合は、計画書の作成を始める
3. 申請のスケジュールを立てる
希望する転用時期に間に合うよう、余裕を持った計画を立てる
申請にかかる期間を逆算し、準備を進める
4. 専門家に相談する
農地転用に詳しい 行政書士や土地家屋調査士に相談 し、サポートを依頼するか検討する
複数の専門家から見積もりを取る ことで、コストを抑える工夫も可能
まとめ:計画的な準備でスムーズな農地転用を!
農地転用申請は複雑な手続きが必要ですが、事前準備をしっかり行えばスムーズに進めることができます。
まずは役所で相談し、転用の可否を確認する
必要書類を早めに準備し、スケジュールを立てる
専門家のサポートを活用し、スムーズな申請を目指す
これらのポイントを押さえながら、計画的に進めていきましょう。
▶︎農地転用申請のことなら イット建築研究所合同会社 にお任せください
農地転用の手続きは複雑で、多くの書類準備や役所対応が必要になります。申請のスムーズな進行や許可の取得を確実にするためには、専門家のサポートが重要です。
イット建築研究所合同会社では、農地転用申請のサポートを行っており、スムーズな手続きをお手伝いします。
農地転用の可否診断や事前相談
必要書類の作成・申請手続きの代行
スムーズな許可取得のためのアドバイス
「自分で手続きを進めるのが不安…」「申請を確実に通したい」そんな方は、ぜひイット建築研究所合同会社にご相談ください。


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